数Ⅲに対する苦手意識を持っていたり、模試での点数に結びついていなかったりする理系の生徒が多いようです。しかし、私の指導経験上、もっとも数学で得点を安定させやすい分野が数Ⅲであるといえます。数Ⅲでの頻出分野としては微積分と複素数平面があり、この分野は入試レベルと教科書の章末問題レベルとのギャップが小さく、類題演習の成果が得点に直結しやすいためです。また難関大学であっても古典的な典型問題がそのまま出されることが多く、そのためパターン学習(チャート等の網羅系問題集の例題を反復してモノにする)がキーになります。その後は入試問題集で標準問題の演習を積み、解法を頭に叩き込みましょう。時間のない受験生には特に有効です。数Ⅲの微積分では最初に抽象的な極限分野が入っていますが、微分と積分の学習をある程度終えてからだと、また理解も深まると思います。複素数はド・モアブルの定理、n乗根、図形への応用が頻出で解法パターンが少なく、短時間での攻略が可能です。すぐに復習に取り掛かりましょう。理系入試では数Ⅲの得点力が決め手になることが多いです。頑張りましょう。
カテゴリー: 未分類
物理の入試対策
理系大学受験に向けて頑張っている高校3年生のみなさん、物理の入試対策も進んでいますか。秋以降は理科の仕上げも重要です。理系であっても物理が伸び悩んでいる生徒は多いようです。学校でもまだ未修分野があるはずですから、授業を疎かにしないよう気をつけてください。さて、既習分野における入試対策ですが、まず気をつけて欲しいことはこの科目では教科書と受験レベルのギャップが大きいということです。原理理解や公式をおさえることはもちろん大事ですが、力学・電磁気・波・熱・原子について実際の国公立・私立大の入試では見慣れない設定下での誘導形式の出題が大問でなされます。つまり日々の学習で知識の整理ばかりに時間をかけているだけでは、本番でそれらを状況に応じて使いこなせるようには簡単にはなりません。よって、残された時間の少ない現役生にオススメしたいのが、1冊の入試標準レベルの問題集を中心に勉強することです。最初は解きにくくても、問題の解答解説をしっかりと読み込み、必要に応じて参考書や教科書に戻って該当分野の復習をスピーディーに行いながら1冊の問題集を仕上げてみてください。そして、分からない問題がなくなるまで何度も繰り返しましょう。入試実戦力が身につき、違和感無く過去問演習に入ることが出来るでしょう。
数学は絵を描こう
今日は数学の授業をしました。定積分の導入をしましたが、細かく厳密に書いている教材を初学者にわかりやすいように絵をたくさん描きながら説明しました。それから演習をさせ、詰まったところの説明を加えていくとスムーズに理解できたようです。教材だけでなく、インターネットから図や画像をとってきて見せながら解説できることはオンライン授業の強みと言えます。9月になり涼しくなってきました。受験にむけてスパートをかけます。
フィボナッチ数列と黄金比
「フィボナッチ数列」「黄金比」という言葉を耳にしたことはありますか?
まず、フィボナッチ数列とは前の二つの数字の和を並べた数列(1,1,2,3,5,8……)のことです。フィボナッチという名前はイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチにちなんでつけられたものです。
次に、黄金比について説明します。黄金比とは近似値1:1.618(約5:8)の比のことで、最も美しい比だといわれています。
黄金比の特徴は「黄金比の長方形について。短い方の辺を基準として正方形を作り二つに分けた時、長方形の図形の辺の比がまた黄金比になる」ということです。とても不思議な比です。
さて「フィボナッチ数列」と「黄金比」一見なんの関係性もなさそうに見えます。
しかし、フィボナッチ数列の連続する項の比率を計算する(二つの数を選び、小さい方の数で大きい方の数を割る)と面白いことが起こります。
フィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13,21,34,55……)
1/1=1
2/1=2
3/2=1.5
5/3=1.6666……
8/5=1.6
13/8=1.625
21/13=1.61538……
そろそろわかってきましたか?フィボナッチ数列の連続する項の比率は黄金比に近づきます。
一見関係なさそうに見えるものがこんなところで繋がっているところに意外性と面白さを感じませんか?
もう既に数列を習っているという人はフィボナッチ数列の一般式を求めてみるのもいいかもしれません。
高校数学の第一関門
高校1年生の皆さん、2次関数の基礎はしっかりできているでしょうか?2次関数は高校数学最初の関門であるのと同時に、数学ⅡB、Ⅲと進むとその知識の利用頻度も多くなってきます。平方完成がミスなくできるか。軸や定義域による場合分けを考えながらグラフの最大値・最小値を求められるか。方程式の解の配置問題もグラフで考えられるか。1年生のうちにこれらを克服できておかないと、より高度な数学への対応が難しくなってきます。指導経験上、2年、3年生になって数学が伸び悩み、意外にも2次関数に大きな穴があったということが多かったです。『例題を見ただけで、解法が思い浮かぶくらいまで繰り返すこと』がマスターへの道です。新しい単元の授業についていきながら、是非頑張って2次関数の復習にも取り組んでみてください。
試験で成功する秘訣
「試験で緊張していつも通りできなかった」と聞くことがよくあります。試験においてメンタルを安定させる方法のなかからひとつ紹介したいと思います。
メンタルを構成する要素のひとつとして「自信」があります。この自信をつけることで、メンタルが崩れる状況においても自信によってメンタルを安定させることができます。自信には過去に対する自信と未来に対する自信の二種類があります。過去に対する自信を有能感、未来に対する自信を効力感といいます。まず、有能感を得るためにすべきことは、日々の勉強を記録して、加えて、その際に良かったことも記録しておくことです。これを試験前に見直すことで、有能感を得ることができます。効力感を得るには、目標設定が大事になってきます。設定する目標は50パーセントぐらいで達成できそうなものにします。多くを望まないことで、なにかできそうな自信がでてきます。また、簡単すぎないことで、だれることもなくなります。
これらを意識して日々勉強し、試験に臨めば、試験でいつもの力を発揮できるかもしれません。
Proverb
最近、ひょんなことから諺(ことわざ)に随分と興味そそられています。
諺とは、「昔から言い伝えられてきた、訓戒・風刺などを内容とする短い句」のことです。
「犬も歩けば棒に当たる」、「好きこそものの上手なれ」等々、これらはとても有名で誰もが知っているところだと思います。
ところで、諺は本当に正しいのでしょうか。自分は理系なので、「犬も歩けば棒に当たる」を例に、数学的に証明してみます。
【証明】
まず、「犬が歩く」という事象をA、「棒に当たる」という事象をBとします。つまり、「犬も歩けば棒に当たる」は「A⇒B」(⇒はナラバ)と表せます。
ここで確認。数Aで習いますが、「P⇒Q」が真ならば対偶「Q!⇒P!」(!はデナイ)も真でしたね。この法則を用いると、
諺「A⇒B」が真(ここでの真は常に成り立つことを表す)のとき、その対偶である「B!⇒A!」も真であることになります。つまり、「棒に当たらなければ、犬は歩いていない」が正しいことになります。これは当然成り立ちますよね。なので、「犬も歩けば棒に当たる」は正しいのです。【証明終】
(ただし、実際は「も」という助詞のせいで必ずしもなりたつとは限りません。)
昔の人から延々と受け継がれている教訓は、今の生活にも役立ちます。新しいことばかりでなく、古いものにも目を向けてみると面白いですね。
素数は有限か?無限か?
私は素数が大好きです。
皆さんにも興味を持ってもらいたいと思ったので、今日は素数について紹介します。
素数とは「1とその数自身以外には約数がない正の整数。ただし1は除く」と定義されています。
例を挙げると「2,3,5,7,11……」などです。100までの数には25個の素数が含まれますが、1000までになると168個、10000までだと1229個と素数を見つけるのが難しくなっていきます。
さてここで「最大の素数は存在するのか?」という疑問がわいてきます。今回はこの疑問を解消していきます。
【証明】
最大の素数が存在する。つまり素数は有限である。と仮定します。最大の素数をNと置きます。
最小の素数(2)から最大の素数までの全ての素数の積をMとします。(M>Nとなりますね)
ここでMに1を加えます。
するとM+1は素数(どんな素数で割っても必ず1余るので割り切れません)です。
これはNが最大の素数であることと矛盾します。
ゆえに素数は有限でない。つまり素数は無限にあるということが示されました。
高校の授業では習わない雑学のようなものですが数学に興味を持っていただけたら幸いです。
文構造を理解しよう
みなさんは英文を読むときに文構造を考えながら読んでいますか?主語にあたる部分がS、動詞がV、目的語がO、補語がC……というのはなんとなく知っているかもしれませんが、テストで問われることもなければ長文を読む上では単語を知っていればなんとでもなる、そのような感覚であまり真剣に考えることのない分野かもしれません。
しかし、文の中で単語と単語がどのような関係にあるかを理解することは、一文が長く、複雑な英文になればなるほど重要です。文の構造を把握することで、内容の取り違えも減り、正確な読解に繋がります。これから難しい英文に挑戦するときに備え、今のうちから文構造を考える習慣をつけましょう。
円周率の求め方
ある生徒から、「円周率って何桁も計算されているけれど、あれはどういう計算式で出しているんですか?」という質問を受けました。確かに、円周率の定義は「直径に対する円周の比」ですから、円周の長さを測ることができれば計算はできますが、何十桁も数字を出せるほど正確に円周の長さを測るのは実際には不可能です。
実は、近年の円周率は無限級数展開や逆三角関数を用いて近似計算で出されているため、高校までで学習する範囲では計算することができません。しかし、「円周率ってたくさん桁があるけど、どうやって計算したんだろう?」と疑問を持つことは非常に大事な考え方だと思います。
日々の学習の中で、たくさんの新しい疑問や発見をしてほしいと思います。