思い立ったが吉日

段々と秋が深まってきましたね。特に高校・中学3年生の皆さんは、「勉学の秋」とすることができているでしょうか。そろそろ成績が気になり始める時期にも差し掛かるので、今回は僕の実体験も交えた、勉強法の紹介をします。

僕も去年の今頃は、模試の成績とにらめっこしていた覚えがあります。なかなか成績が上がらず、周りとの差に焦りを感じ、とにかく問題を解こう、と過去問はひたすら解いていました。

それも大事なことかもしれません。しかし、帰ってきた模試の答案・解説を見てみると、かなり簡単な所で点数を落としていることが多かったんです。例えば、数学で使う公式の符号を間違えていた、古文の単語の意味を間違えてストーリーが全然違った、問題指示を見ていなかった・・・などです。それから、一度自分を見つめ直して、公式、単語、文法など基礎基本を勉強しました。すると、ミスで点数を落とさなくなっただけでなく、解けなかった問題に手が届くようになり、安定した成績をとることができるようになりました。なにより、自分に自信が持てるようになったことが大きかったと思います。

今一度、自分の頭の中を整理してみてください。僕のようなイージーミスで点を落としている人、あやふやにしている単語や文法がある人、いませんか。今、この時が、復習のラストチャンスかもしれませんよ。

思い立ったが吉日、です。

なぜ1は素数じゃないのか。

生徒に「素数ってなにかわかる?」と聞いてみたところ、「1とか2とか3とか5とか!」という風に返されてしまいました。

確かに2,3,5は素数です。ただし、1は素数に含まれないのです。

「28を素因数分解してごらん」というと「2x2x7」と答えてくれました。

感覚では1が素数でないことを理解してはいるようです。

さて素数については以前も紹介しましたが「1とその数自身でしか割れない数」のことです。

素数ってなにがある?と聞くと1を答えてしまう人は思いのほかいます。

ではなぜ1は素数に含まれないのでしょうか。

それは1を素数に含んでしまうと困ったことが起きます。

1を素数だと考えて28を素因数分解してみましょう。

28=1x2x2x7

28=1x1x1x1x2x2x7

28=1x1x1x1x1x2x2x7

1はどんな数に掛けても影響を及ぼしません(元の数は変わりません)。1を素数に含めると素因数分解の書き方が無限に出てしまいます。

これは「素因数分解の一意性(数は一通りの素数の積で表せる。)」というルールに反します。

この素因数分解の一意性を守るためにも1は素数に含まない。ということになりました。

エラトステネスの篩を知っている人は、1が素数の場合の篩を考えてみると更に理解が深まるかもしれませんね。(素数が1しかない!という事件が起きます。)

用語の定義理解の大切さ

みなさんは例えば電界や電位という言葉を聞いて、すぐに周りに自分の言葉で説明することができるでしょうか? 教科書の説明をそのまま暗唱できたらOKではなく、たとえば「電界の強さとは何か?」と聞かれたら、「ある場所にプラス1クーロンの電荷を置いて、それが受ける電気的な力」というようになるべく自分の言葉で説明して欲しいのです。物理学習では分野ごとに様々な用語が出てきますが、物理が不得意という生徒たちほど、これらの用語の定義をあいまいのままにしていることが多いです。用語を確実におさえるということは、物理現象を捉えるということに繋がるので早い段階からこのことを意識しておいたほうがいいでしよう。基本を疎かにすることのないように。

数に隠れた魅力

学校の最寄り駅まで300円……そこから歩いて10分……帰りは買い物でいくら使う……21時までには帰りたい。明日は用事があるから6時には起きよう。

日常の中で数というのは無意識のうちにそばにあります。普段何気なく使っている数でも隠れた魅力があるものです。

例えば「6」。6は完全数でありながら、高度合成数でもあります。

完全数?高度合成数?と思った人もいると思います。なにやらかっこいい名前ですが難しいことはありません。

 

完全数とは「それ自身を除く約数の和がその数自身と等しい自然数」のことです。

6で考えてみます。6の約数は「1,2,3,6」自身を除くので1,2,3の和を求めます。

1+2+3=6

見事に6の約数(それ自身は除いてますが)の和は6になりましたね。

完全数は他に28や496などがあります。

 

次に高度合成数とは「それ未満のどの自然数よりも約数の個数が多い自然数」のことを指します。

また6について考えてみます。6未満の数のそれぞれの約数1は1つ、素数である2,3,5は当然2つ、4は3つ(1と2と4)です。そして6の約数は1,2,3,6の4個です。

6未満の5個の数のどの約数の数よりも大きいですね。

高度完全数は他に1,2,4,6,12,24,36などがあります。約数の個数の求め方をすでに習っている人は探してみても面白いかもしれませんね。

 

今回は「完全数」「高度合成数」を紹介しましたが他にも「カプレカ数」や「調和数」,「タクシー数」などなど素敵な数がたくさんあります。

 

数Ⅲを得点源に

数Ⅲに対する苦手意識を持っていたり、模試での点数に結びついていなかったりする理系の生徒が多いようです。しかし、私の指導経験上、もっとも数学で得点を安定させやすい分野が数Ⅲであるといえます。数Ⅲでの頻出分野としては微積分と複素数平面があり、この分野は入試レベルと教科書の章末問題レベルとのギャップが小さく、類題演習の成果が得点に直結しやすいためです。また難関大学であっても古典的な典型問題がそのまま出されることが多く、そのためパターン学習(チャート等の網羅系問題集の例題を反復してモノにする)がキーになります。その後は入試問題集で標準問題の演習を積み、解法を頭に叩き込みましょう。時間のない受験生には特に有効です。数Ⅲの微積分では最初に抽象的な極限分野が入っていますが、微分と積分の学習をある程度終えてからだと、また理解も深まると思います。複素数はド・モアブルの定理、n乗根、図形への応用が頻出で解法パターンが少なく、短時間での攻略が可能です。すぐに復習に取り掛かりましょう。理系入試では数Ⅲの得点力が決め手になることが多いです。頑張りましょう。

物理の入試対策

理系大学受験に向けて頑張っている高校3年生のみなさん、物理の入試対策も進んでいますか。秋以降は理科の仕上げも重要です。理系であっても物理が伸び悩んでいる生徒は多いようです。学校でもまだ未修分野があるはずですから、授業を疎かにしないよう気をつけてください。さて、既習分野における入試対策ですが、まず気をつけて欲しいことはこの科目では教科書と受験レベルのギャップが大きいということです。原理理解や公式をおさえることはもちろん大事ですが、力学・電磁気・波・熱・原子について実際の国公立・私立大の入試では見慣れない設定下での誘導形式の出題が大問でなされます。つまり日々の学習で知識の整理ばかりに時間をかけているだけでは、本番でそれらを状況に応じて使いこなせるようには簡単にはなりません。よって、残された時間の少ない現役生にオススメしたいのが、1冊の入試標準レベルの問題集を中心に勉強することです。最初は解きにくくても、問題の解答解説をしっかりと読み込み、必要に応じて参考書や教科書に戻って該当分野の復習をスピーディーに行いながら1冊の問題集を仕上げてみてください。そして、分からない問題がなくなるまで何度も繰り返しましょう。入試実戦力が身につき、違和感無く過去問演習に入ることが出来るでしょう。

数学は絵を描こう

今日は数学の授業をしました。定積分の導入をしましたが、細かく厳密に書いている教材を初学者にわかりやすいように絵をたくさん描きながら説明しました。それから演習をさせ、詰まったところの説明を加えていくとスムーズに理解できたようです。教材だけでなく、インターネットから図や画像をとってきて見せながら解説できることはオンライン授業の強みと言えます。9月になり涼しくなってきました。受験にむけてスパートをかけます。

フィボナッチ数列と黄金比

「フィボナッチ数列」「黄金比」という言葉を耳にしたことはありますか?

まず、フィボナッチ数列とは前の二つの数字の和を並べた数列(1,1,2,3,5,8……)のことです。フィボナッチという名前はイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチにちなんでつけられたものです。

次に、黄金比について説明します。黄金比とは近似値1:1.618(約5:8)の比のことで、最も美しい比だといわれています。

黄金比の特徴は「黄金比の長方形について。短い方の辺を基準として正方形を作り二つに分けた時、長方形の図形の辺の比がまた黄金比になる」ということです。とても不思議な比です。

さて「フィボナッチ数列」と「黄金比」一見なんの関係性もなさそうに見えます。

しかし、フィボナッチ数列の連続する項の比率を計算する(二つの数を選び、小さい方の数で大きい方の数を割る)と面白いことが起こります。

フィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13,21,34,55……)

1/1=1

2/1=2

3/2=1.5

5/3=1.6666……

8/5=1.6

13/8=1.625

21/13=1.61538……

そろそろわかってきましたか?フィボナッチ数列の連続する項の比率は黄金比に近づきます。

一見関係なさそうに見えるものがこんなところで繋がっているところに意外性と面白さを感じませんか?

もう既に数列を習っているという人はフィボナッチ数列の一般式を求めてみるのもいいかもしれません。

高校数学の第一関門

高校1年生の皆さん、2次関数の基礎はしっかりできているでしょうか?2次関数は高校数学最初の関門であるのと同時に、数学ⅡB、Ⅲと進むとその知識の利用頻度も多くなってきます。平方完成がミスなくできるか。軸や定義域による場合分けを考えながらグラフの最大値・最小値を求められるか。方程式の解の配置問題もグラフで考えられるか。1年生のうちにこれらを克服できておかないと、より高度な数学への対応が難しくなってきます。指導経験上、2年、3年生になって数学が伸び悩み、意外にも2次関数に大きな穴があったということが多かったです。『例題を見ただけで、解法が思い浮かぶくらいまで繰り返すこと』がマスターへの道です。新しい単元の授業についていきながら、是非頑張って2次関数の復習にも取り組んでみてください。

試験で成功する秘訣

「試験で緊張していつも通りできなかった」と聞くことがよくあります。試験においてメンタルを安定させる方法のなかからひとつ紹介したいと思います。

メンタルを構成する要素のひとつとして「自信」があります。この自信をつけることで、メンタルが崩れる状況においても自信によってメンタルを安定させることができます。自信には過去に対する自信と未来に対する自信の二種類があります。過去に対する自信を有能感、未来に対する自信を効力感といいます。まず、有能感を得るためにすべきことは、日々の勉強を記録して、加えて、その際に良かったことも記録しておくことです。これを試験前に見直すことで、有能感を得ることができます。効力感を得るには、目標設定が大事になってきます。設定する目標は50パーセントぐらいで達成できそうなものにします。多くを望まないことで、なにかできそうな自信がでてきます。また、簡単すぎないことで、だれることもなくなります。

これらを意識して日々勉強し、試験に臨めば、試験でいつもの力を発揮できるかもしれません。