生徒に「素数ってなにかわかる?」と聞いてみたところ、「1とか2とか3とか5とか!」という風に返されてしまいました。
確かに2,3,5は素数です。ただし、1は素数に含まれないのです。
「28を素因数分解してごらん」というと「2x2x7」と答えてくれました。
感覚では1が素数でないことを理解してはいるようです。
さて素数については以前も紹介しましたが「1とその数自身でしか割れない数」のことです。
素数ってなにがある?と聞くと1を答えてしまう人は思いのほかいます。
ではなぜ1は素数に含まれないのでしょうか。
それは1を素数に含んでしまうと困ったことが起きます。
1を素数だと考えて28を素因数分解してみましょう。
28=1x2x2x7
28=1x1x1x1x2x2x7
28=1x1x1x1x1x2x2x7
1はどんな数に掛けても影響を及ぼしません(元の数は変わりません)。1を素数に含めると素因数分解の書き方が無限に出てしまいます。
これは「素因数分解の一意性(数は一通りの素数の積で表せる。)」というルールに反します。
この素因数分解の一意性を守るためにも1は素数に含まない。ということになりました。
エラトステネスの篩を知っている人は、1が素数の場合の篩を考えてみると更に理解が深まるかもしれませんね。(素数が1しかない!という事件が起きます。)