こんにちは、筑紫修学館スタッフブログです。
今日もご覧いただきありがとうございます!
3月5日は公立高校の入試が行われ、入試問題を筑修の先生たちが早速分析しました。その内容と次年度の受験生へのアドバイスを5回にわたって掲載していきますので、ぜひ読んでくださいね!
中学2年生のみなさんには入試問題に目を通しながらこの解説を読んでほしいと思います。
【国語】
大問は4問で昨年と同じですが、今年はかなり易化したといえます。記述問題が減り、記号選択問題が増えたことで時間が足りず困ったということはなかったと思われますし、文章中の記号選択問題の内容も悩ませるものではありませんでした。以下、問題の種別の比較です。
大問一 論説文
(小問数)
12 →昨年10
(形式)
(1)で文章読解、(2)で語句や文法などの知識を問うという傾向は昨年同様です。
(分析)
(1)「自然を学ぶことと、人間が作り出したものを学ぶことの「二重の学び」が我々には宿命づけられている。エラーや失敗には新発見があり、何かを成し遂げる力がある。若いときはエラーを恐れてはならない。」という内容でした。
問一
穴埋め問題に副詞が登場しました。
問四
学ぶものの具体例を問うています。固有名詞のようなものをイメージすれば答えられます。
問五
Bは、使う語句が「新発見」のみですが、最後の段落からまとめることに気づけば難しくありませんでした。
(2)は、(1)の文章に関する二つの資料からの、語句・文法の問題です。
問二
連文節における文節どうしの関係が提示され、並立の関係をすべて選ぶ問題でした。1は補助の関係、4は修飾・被修飾の関係です。
問五
品詞の識別でねらわれやすい「~な」が出ています。「好きな」は言い切りが「~だ」となる形容動詞です。2の「大きな」は、見た目は似ていますが連体詞ですから注意が必要でした。1は形容詞、4は名詞です。※この「~な」の識別は、特訓講座で注意するように話していました。
大問二 小説文
(小問数)
6 →昨年6
(形式)
記号選択問題が一問、その他の記述問題は五字や十字で書くもので、十字以上でまとめて書く問題はありませんでした。さらに抜き出し問題のため、文章中の根拠が探せれば時間はかかりませんでした。
(分析)
陸上部に所属する主人公が先輩から部長を引き継いで決意を固めていくという内容で、中学生には読み取りやすい文章です。
問二
Aは、瞳についての説明が「どことなく不安そうな、迷っているような」となっていることから、並立をくずさず「不安と迷い」と答えられるかどうかがカギとなります。
問三
(1)では「青色のバトン」を「一本の糸みたいなもの」と表現しています。Aには「比喩(比ゆ)」が入ります。直接的な比喩ですので「直喩」ともいえます。
大問三 古典
(小問数)
8 →昨年8
(形式)
『貞観政要』という書物の書き下し文とその現代語訳を比較しながら解く問題で、昨年同様のパターンでした。近年よくみられる「太郎さん花子さん形式の問題」が出ていますが、現代文から考えることができるため難度は高くありません。
(分析)
今年も問四は返り点(レ点と一・二点)を打つ問題でした。昨年より平易です。問五(3)ではまとめて書く指示があるものの、十字~十五字で現代語訳から考えればすぐに答えが導けました。
大問四 条件作文
(形式)
資料の提示、二段落構成、行数など形式は例年どおりです。「読書量を増やす取り組み」は日常の活動としてイメージしやすく、資料も「月に読む本の冊数や読書の好き嫌い」に関するもので、スムーズに書き出せるものでした。読書量を増やす取り組みの案を、自分の知識や経験と結びつけて書くことが条件でしたが、受験生は過去問題で対策していますので、書きやすいものになりました。
【総評】
昨年の問題(得点率51.0%)を解いて傾向や難易度を把握していた受験生たちは、答えを導きやすい問題が多くなったことにかえって戸惑いを感じたかもしれません。国語があまり得意ではない場合でも、基本的な解き方や考え方で進めれば得点できたと思われます。
【次年度の受験生のみなさんへアドバイス】
今回は取り組みやすい内容や出題でしたが、今後も思考力や表現力を重視した出題が増えていくことに変わりはありません。言葉の使い方や表現のしかたなど、日ごろから意識して正しく身につけていかなければなりません。思考や表現の基本となる語句や文法などの知識は、初めて学習したときに心に刻むぐらいに理解しておくことが大事です。語句を知り、文法の基本をきちんと知っておくことで、その後の応用がきいてくるようになります。基本をしっかり身につけて問題演習を進めてください。
文章を読むスピードは必要ですが、スピードを意識するあまり、語句や表現を雑に扱ってしまう人がいます。わからない読みや意味の語句は辞書やアプリなどで解決してから読み進めましょう。文章を音読することも忘れず、教科書や模試に出てくる文章を理解した後は一回でもよいですから声に出して読んでください。
作文の練習はどうやればいいか迷う人が多いと思います。とにかく書くことから始めなければ何も進まないのですが、「ただ書く」というのだけでは上達しません。構成をどうするか、読む人がわかりやすいものになっているか、文脈はおかしくないかなど、ていねいに進めることが必要です。書いたものを先生に見てもらうことを作文学習に必ず取り入れてください。
国語力は一朝一夕にはつかないものですが、基本を押さえ、知識・読み方・表現のしかたをバランスよく意識して学習していきましょう。
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