こんにちは、筑紫修学館スタッフブログです。
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公立高校入試問題の分析、第3回は社会です。
【社会】
【難易度】
昨年の得点率55.5%とほぼ同じぐらいと予想します。
【全体の傾向】
大問数は今年も6問でした。小問数は29問で、解答数は昨年49個に対し43個で減少しています。自分のことばでまとめる記述問題が11問あり、複数の資料を読み取って答えを導き出す問題が多く、資料ごとの特徴を結びつける力が要求されていました。
大問1 明治時代までの歴史
(小問数)
6
(解答数)
9
(形式)
古代から明治時代まで幅広い時代についての、基本的な内容の出題でした。問3~問6はすべて全解または両解のため、得点に差が出やすくなっています。
(分析)
鎌倉時代から室町時代の出来事を年代の古い順から並べていく問題が出されています。「承久の乱」や「応仁の乱」という重要語句が記載されておらず、出来事の内容のみの選択肢が複数ありました。出来事の名前と内容をしっかり理解しておく必要がある問題でした。問6では、近世から近代の経済の移り変わりが取り上げられ、これまでには見られない内容でした。開国直後の経済について問われているもので、書きやすいものではありました。
大問2 大正時代以降の歴史
(小問数)
4
(解答数)
5
(形式)
20世紀以降の政治、経済、産業のようすについての出題でした。
(分析)
明治時代からの出来事に関して出題されていたものが、今年は大正時代以降で、範囲が狭くなっていました。問3では、高度経済成長期の国民の生活について、2つの資料から変化した理由を記述させる問題が出されました。家電の普及が進んでいることは理解できても、なぜ進んでいるのかを所得額の増加と結びつけて自分の言葉で記入することが求められたため、少し書きにくさを感じさせるものでした。
大問3 世界地理
(小問数)
6
(解答数)
7
(形式)
世界6つの州から1題ずつ出されました。問5では2つの記述問題が出されています。
(分析)
問1はオセアニア州について正しい緯度と経度を求める問題でした。地図上には緯線と経線が書かれておらず、地図に表されていない国や地域の位置をイメージしながら、正しい場所を答えなければなりませんでした。問5は、ヨーロッパ州の工業の変化についての出題です。EU加盟国の拡大から関税がかからない点や、平均賃金が低い東ヨーロッパでは安価で製造ができて価格が抑えられる点を、資料をもとに記述する問題でした。複数の資料を正しく整理して、必要な情報をまとめる力が問われています。
大問4 日本地理
(小問数)
5
(解答数)
8
(形式)
雨温図、産業分布、農業から出題されました。
(分析)
指定された都市の雨温図を読み取る問題では、それぞれの雨温図の特徴を正しく理解していれば解答できました。問3では、各地方の農作物産出額と工業製品出荷額のグラフが示されており、各地方の産業の特徴を理解していれば答えられる問題で難度は高くありませんでした。問4、問5の記述問題も比較的書きやすいものとなりました。
大問5 公民
(小問数)
6
(解答数)
11
(形式)
日本国憲法と基本的人権、地方自治、経済政策と金融、社会保障制度に関するテーマ別学習を題材に問題が出されました。解答数が昨年14から11に減少しています。令和4年度までよく出されていた、国際社会に関する問題は2年連続で出ませんでした。
(分析)
地方自治の仕組みと国の政治の仕組みを比較して記述する問題が出ました。資料では地方自治の仕組みしか記載されておらず、国の政治の仕組みを考えて比較できなければ答えを書けなかったと思われます。景気変動に関する問題では、国債の売買が市場にどのような影響を与えるかを問うており、難解な問題になりました。
大問6 時事問題
(小問数)
3
(解答数)
3
(形式・分析)
漁業と海洋汚染のノートの一部が示され、福岡県の取り組みをもとに生徒自身が行う具体的な行動について記述する問題が出されました。探究活動で日ごろから自分の考えをしっかりと表現することが大事だと実感できる問題でした。
【次の学年への学習アドバイス】
教科書で学ぶ基本的な内容で答える問題が多い傾向にあります。日ごろから教科書にしっかりと目を通し、重要語句や内容を答えられるようにしましょう。また、それらを自分の言葉で説明できるように練習することも必要です。メディアからの情報や各種資料を通じて、さまざまな知識を吸収することにも積極的に取り組みましょう。グラフや統計や歴史的資料を読み取る問題に対応するために、教科書の資料の特徴や考えられる課題をいつもまとめておく必要があります。さらにまとめた内容を文章で表現できるように練習することも必要です。選挙の投票率の低さやカード利用の課題、年金問題や地域の活性化などの社会問題が出題されますので、現代の社会問題にも目を向けて「知る努力」を重ねていきましょう。
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