こんにちは、筑紫修学館スタッフブログです。
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公立高校入試問題の分析、第5回は英語です。
【英語】
【出題構成と全体の難易度】
リスニング 1対話文 2会話文 3長文 4英作文
大問構成、小問数、配点に変更なし。
単語数の微増や細かい点での変更はあったものの全体の出題傾向や設問形式は従来のパターンどおりで、全体の難易度は昨年並みかやや易化。
【大問ごとの分析】
リスニング 12問 20点
問題1は変化がありませんでした。問題2では図や表を読み取る問題から一枚の地図を読み取る問題に変化しました。問題3では設問中の英単語がやや難化しています。さらにリスニングで聞き取ることを考慮すると正答率は低くなると思われます。問題4では設定が複雑化したため、問題文をよく読んで状況を理解することから始める必要がありました。設問のレベル自体はさほど変化は見られず、難易度は昨年並みと思われます。
【筆記】
対話文 4問 8点
対話の流れに沿う英文を選ぶ問題です。空欄前後の文脈をしっかり確認することで正答が選べるように作られています。文字数・難易度ともに大きな変化はなく、場面設定もよくあるものため例年どおり得点しやすい問題でした。(難易度は昨年並み)
会話文 5問 10点
260語程度の会話文を読んでその内容の読解を問う問題です。全体の単語数は昨年とほぼ変わりませんでした。昨年は本文の最後に手紙文(およそ80語)が置かれていましたが、今年は問3の設問にPCに入力した英文(およそ60語)が組み込まれています。例年出題される問1の並べ替えでは、現在完了進行形と定番の後置修飾の文が出題されました。昨年は正答率が低く、選択肢も比較的選びやすく設定されていたため、正答率は上がるとみられます。問3の(1)では原形不定詞の文が正答に設定されていました。(難易度は昨年並みかやや易化)
長文 5問 14点
単語数は昨年と比べ微増の380語程度でしたが写真イラストが追加されました。問1は類義語を選択肢から選択する問題から空欄にあてはまる単語を選択する問題に変更しました。experience(体験) という単語さえ知っていれば容易に推測することができます。問2では短い質問文に英語で答える問題が7語以上から5語以上に変更されましたが、解答となる該当箇所が第3段落にあったため解答するのに時間がかかってしまった生徒もいたと思われます。my dreamが指す具体的な内容を書かせる問3では直前の文章を和文で表す力が試されました。例年どおり問5では英問英答の形で自分の考えを記述することが求められています。(難易度は昨年並みかやや易化)
英作文 1問 8点
条件付き自由英作文が出題されています。語数(30語以上)に変更はありません。作文する内容を選択肢から選ぶという点が、メッセージのやりとりの中から選択する形式に変更しています。「日本で自然を楽しむのは何月がいいか」という質問ですが、留学生の友だちに提案する、季節の良さを伝える、というよくある場面設定のため英作文の練習を積んできた生徒にとっては書き易いテーマだったのではないかと思われます。(難易度は昨年並み)
【次の学年への学習アドバイス】
思考力・表現力を試される問題が増えてきていますが、その中でも前提にあるのが単語力・文法力です。語彙を増やしたり文法理解を深めたりするのは入試対策として必須の勉強です。一年後のために、単語・熟語の練習を今から積み重ねましょう。
リスニングと筆記テストという問題構成で最も配点が高いのが60点満点中の20点を占めるリスニング問題です。リスニング問題を聞き取れるようになるためには、単語を書ける・読めるだけでなく、自ら発音して繰り返し練習する必要があります。リスニングで安定して得点するためにより多く英語を聞いて練習してください。
英作文は英語が苦手な生徒でも練習を重ねると書けるようになります。いくつかの表現を自分のパターンとして持っておくと少しアレンジするだけでいろんなテーマの英作文に対応できます。入試では自分の考えや行動について書く問題がよく出されるため、日ごろから様々な場面での自分の考えや行動を英文にする練習をしておくことが得点をとるための近道となります。そして書いた英作文を先生に添削してもらうことが重要です。何度も書き直しを重ねて完成に近づけるようにしましょう。条件の「30語以上」に悩まされる生徒が多くいます。模試や過去問題演習など練習段階から文字数に余裕をもって書くようにしておきましょう。
「英語」ミニ解説!
大問2 問1
公立入試では毎年必出の5語の中から4語を選んで、正しい英文になるように並べ替える問題。
この問題を考えるポイントは「1文全体で考えること」です。選択肢の単語だけ見ても答えは絶対にわかりません。( )を含む1文全体で考えることが大切です。さらにどの文法が使われているかを見抜く力も必要です。単語の品詞や連語の知識も文のかたまりを作る際の重要なポイントと言えます。
①
Ms.Bell , we ( talking / been / about / have / are ) an effective way to make our research better ,but we don’t know what to do next .
( )の選択肢に「been」と「taking」があることからすぐにhave been ~ingの【現在完了進行形】の構文が思いつきます。あとは( )の後ろが「an effective way」と名詞になっていることからその直前には前置詞のaboutを置くことがわかります。
文意を考えて、
Ms.Bell , we ( have been talking about ) an effective way to make our research better , but we don’t know what to do next .
「ベル先生、私たちは調査をよりよくするための効果的な方法についてずっと話し続けています、しかし次に何をしたらいいのかがわかりません」
という文になります。
※解答には直接関係ありませんが、この1文には【現在完了進行形】(ずっと~し続けている)、【make AB】(AをB(の状態)にする)、【疑問詞+to不定詞(何を~したらよいか)】など重要な文法が複数盛り込まれていました。
②
She ( information / us / we / giving / gave ) needed.
( )の直前が「She(主語)」となっていることから直後には動詞を入れる必要があるため、She gave~となり【give 人 物】(人に物を与える)となることがわかります。また( )の後が「needed(動詞)」となっていることから直前には主語である「we」がはいると予想できます。あとは「information」という名詞を「we needed」という主語+動詞の文で後ろから修飾する【名詞の後置修飾(関係代名詞目的格の省略)】の構文を考えましょう。
文意を考えて、
She ( gave us information we ) needed.
「彼女は、私たちが必要な情報を私たちに与えてくれました」という文になります。
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