近年の私立大学入試で何かと話題になっているのが,文部科学省の「定員管理の厳格化」です。
受験生が都市圏の私立大学に集中していたため,大規模大学の入学者を抑えるなどの目的で設定されました。
この目標数値を超えると補助金が減額されてしまいます。
補助金というのは私立大学の大きな収入源であり,決して無視できるものではありません。
2016年から2018年入試へと段階的に厳しくなっていき,昨年の例でいくと生徒数8,000人以上の大型大学は募集定員の1.10倍までしか入学者を出してはいけないという非常に厳しい設定でした。
私立大学の場合,合格通知を出したものの国公立大学に合格して辞退するという受験生が多いので,合格者を募集定員の何倍出すかということには慎重になるはずです。
合格者数>>入学者数となる大学は多いと思われます。
そんなこんなで,昨年の私立大学の合格者は極端に少なくなりました。
つまり,例年ならば合格できるレベルの受験生が不合格になってしまいました。
しかし,合格者をあまりにも減らし過ぎたため,3月には追加合格者が続出しました。
その数,ある大学では例年の約10倍!
追加合格者に電話するのも大変だったことでしょう。
大学職員の方には同情します。
受験生の目線でいくと,すでに別の大学に入学する決意をして,一人暮らしの家を契約しているまさにその時に,第1志望校の大学から追加合格の電話がかかってくることがあるのです。
もう諦めたのに…家も決めたのに…でも,本当に行きたいのは?
決断はすぐにしないといけません。
追加合格を断れば,次の人に権利が移ります。
受験生の心情やいかに…。
さて,これまで話したのは昨年までの話です。
今年は,なんとこの「定員管理の厳格化」が解除されます!
地方大学への入学者が増えたという一定の成果が見られたためだということです。
まぁ何にせよ,私立大学が募集定員よりもかなり多くの合格者を出すことができるようになるということは,受験生としては合格する確率が上がるということで,喜ばしいことですね。
今年の高3生は運がいいと言えます。
来年の浪人生は減りそうですね。
でも油断せずに勉強は続けましょうね。