皆さん、こんにちは。
筑紫修学館小郡大保校の森です。
本日も小郡大保校の校舎ブログをご覧いただきありがとうございます。
皆さんは「PQRST法」という学習法を知っていますか?
今回は、効率的な学習方法として注目されているPQRST法についての概要と、
特に中学生・高校生の皆さんがどんな科目に活用できるかをご紹介します。

PQRST法とは?
PQRST法は
- ・Preview(概観)
- ・Question(質問)
- ・Read(精読)
- ・Self-recitation(自己暗唱)
- ・Test(テスト)
という5つのステップで学習を進める方法です。
この方法を使えば、単にテキストを読むよりも効率よく知識を定着させられます。
5つのステップの詳しいやりかた
1.Preview(概観)
まずは、教材全体をざっと眺め、どんな内容が扱われているのか全体像をつかみます。
目的:
細部に入る前に、テキストの構造や主要なテーマやキーワードを把握し、
全体の流れを理解する。
具体的なやり方:
・目次や見出し、強調された太字・斜体をチェックする
・図表やグラフ、キャプションも確認し、大まかな内容を把握する
・全体の雰囲気や論理の流れを頭に入れる
これにより、後の精読時に「どこに何が書いてあるのか」が分かりやすくなり、
注意すべき点が明確になります。
Question(質問)
予習で気づいた重要なキーワードや見出しから、
読み進める際に答えを見つけたい疑問や問題点を作ってみます。
目的:
単に読むだけでなく、能動的に学ぶ姿勢を持ち、好奇心を刺激することで理解を深める。
具体的なやり方:
・各章やセクションの見出しを、
「何が書かれているのか?」
「なぜこのテーマが重要なのか?」
といった質問に変換する
・自分が知りたい情報や、すでに持っている知識とのギャップを明らかにする質問を考える
作成した質問は、後で読んだ内容と照らし合わせて
答え合わせするためのガイドラインとなります。
これにより、読む際の焦点が定まり、理解度が向上します。
Read(精読)
予習で作成した質問に基づいて教材を丁寧に読み込み、
必要な情報を深く理解していきます。
目的:
表面的な読みではなく、質問に対する答えを見つけるために詳細に読み込み、
文脈や論理の流れをしっかりと把握する。
具体的なやり方:
・予習時にチェックした部分に注目しながら、文章全体を注意深く読み進める。
・キーワードや重要なポイントに印をつけたり、メモを取りながら読む。
・質問に対する答えがどこにあるか、どのように説明されているかを意識しながら読む
この過程で、読み飛ばしがちな細かい情報も取り逃さず、知識が体系的に整理されます。
Self-recitation(自己暗唱)
予習と精読で得た情報を自分の言葉で再現しながら理解を深め、
記憶の定着を図る段階です。
目的
読んだ内容を単に暗記するのではなく、自分自身の言葉で再構築することで、
知識を意味あるものとして整理し、長期記憶に確実に残すことを目指します。
具体的なやり方
・精読した内容を、口頭または筆記で自分の言葉に置き換えて説明する
・予習で作成した質問に対する答えを、再度自分なりにまとめ直す
・図やマインドマップなどを用いて、内容の構造や関連性を視覚的に整理しながら再現する
このプロセスにより、受動的な情報収集から一歩進んだ能動的な学習が実現し、
理解度の向上と記憶の強固な定着が促進されます。
Test(テスト)
最後に、予習の段階で作成した質問に対して、自分自身で答えを確認します。
目的:
自分がどれだけ内容を正しく理解し、記憶できているかを客観的に評価する。
具体的なやり方:
・予め作成した質問に答えてみる
・フラッシュカードやクイズ形式で自分自身をテストする
・不明点があれば、再度教材に戻って確認する
この自己テストにより、理解度の確認と知識の定着度が測れ、学習効果が向上します。
以上の5つのステップを順に実践することで、ただ単に文章を読むだけではなく、
積極的に内容と対話しながら学習を進めることができ、記憶や理解が大幅に向上するとされています。
中高生の各教科での活用法
PQRST法は暗記科目に向いている勉強法です。
中学生や高校生には次のような科目を勉強するときに利用してみると良いでしょう。
社会
- ・Preview:年表や地図を見て、おおまかな流れをつかむ
- ・Question:「なぜこの戦争が起きたのか?」「この政策の目的は?」など
- ・Read:教科書を読みながら、因果関係を意識する
- ・Self-recitation:年代や出来事の流れを自分で説明
- ・Test:問題集で確認
理科
- ・Preview:章末の要約や図を見る
- ・Question:「この実験の目的は?」「なぜこの現象が起こる?」
- ・Read:実験の手順や原理を理解する
- ・Self-recitation:実験の過程や法則を説明
- ・Test:計算問題や概念問題に挑戦
英語
- ・Preview:本文を見渡し、知っている単語をチェック
- ・Question:「主人公は何をしたのか?」「どんな結末?」
- ・Read:本文を読みながら文法にも注目
- ・Self-recitation:本文の要約を英語で話してみる
- ・Test:和訳や英作文に取り組む
PQRST法のメリット
1. 体系的な学習による理解の深化
- ・単なる暗記ではなく、内容の関連性や全体像を把握できる
- ・予習→質問→読解→復習→確認という流れが、学習の抜け漏れを防ぐことができる
- ・学習内容を順序立てて整理できるため、テスト前の復習も効率的
2. 能動的な学習姿勢の養成
- ・自分で質問を作ることで、問題意識を持って学習に取り組める
- ・「なぜ?」「どうして?」と考えながら学ぶため、深い理解につながる
- ・授業中も積極的に質問できるようになり、理解が更に深まる
3. 確実な理解度チェック
- ・自己暗唱の段階で理解が不十分な箇所が明確になる
- ・テストステップで具体的な弱点を把握できる
- ・理解できていない部分を早期に発見し、補強学習ができる
4. 記憶の定着率向上
- ・複数のステップで同じ内容を違う角度から学ぶため、記憶に残りやすくなる
- ・自分で説明する過程で、知識が整理され、長期記憶として定着する
- ・定期的なテストによって、忘却を防ぎ、知識を維持できる
5. 学習意欲の維持
- ・小さなステップを踏んで進むため、達成感を得やすくなる
- ・自分の成長を実感しやすく、モチベーションの維持につながる
- ・学習方法が明確なため、「何から始めればいいか分からない」という不安が減る
6. 応用力の向上
- ・質問を考える過程で、批判的思考力が養われる
- ・自分の言葉で説明する練習により、論理的な表現力が身につく
- ・様々な角度からの理解により、新しい問題にも対応できる力が育つ
このように、PQRST法は単なる学習方法としてだけでなく、思考力や表現力の向上にも役立ちます。
特に、中高生の時期にこの学習法を身につけることで、
大学受験や将来の学習にも活かせる基礎的な学習スキルを獲得できます。
おわりに
PQRST法は、特に定期テストや入試の準備に効果的です。
最初は時間がかかりますが、慣れれば効率的に学習できます。
ぜひ、自分の学習スタイルに合わせてアレンジしながら活用してみてください。
一度に全教科でPQRST法を導入するのは大変かもしれません。
まずは1教科から試してみて、効果を実感しながら他の教科にも広げていくことをおすすめします。
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このブログはこんな人が書いています!
森 駿介
筑紫丘高校→九州大学理学部数学科卒業
塾講師歴10年 筑紫修学館歴11年